携帯の機種代金の取扱いについて
破産や個人再生などをする際に、問題になることの一つが携帯の機種代金である。厳密にいえば、車のローンなどと同じ扱いということになると思われるからである。
しかし、今の時代において携帯がないと社会生活自体が、難しくなってしまう。そこで、機種代金の部分と毎月の携帯利用代金の部分を切り離してもらうということが考えられる。私の経験では、受任通知を送る際に、機種代金のローン部分との切り離しを希望する旨述べて、実際にドコモ(NTTファイナンス)やソフトバンクは切り離しをしてくれた事例があるので、AUも切り離してくれるのではないかと思う(ただ、実際に切り離してくれるまで相当程度の時間がかかったように記憶しています)。
※ 電気通信事業法の2019年の改正では、モバイル市場の競争促進の観点から「通信料金と端末代金の完全分離」が規定されています(同法27条の3)。破産の場合は趣旨は少し違いますが、切り離しは容易になったと解されます。
※2023年になって、ソフトバンクに再度お願いしたところ、切り離しは出来ないと断られました。破産手続きが終わった後で機種を一括で購入して再契約をして欲しいとのことでした。しかし、携帯がないというのは、仕事や日常的な生活を極めて困難にしてしまうと思います。破産法の趣旨の一つが破産者の経済的更生ということにあることに鑑みれば、切り離しが出来ないという現状を踏まえて、場合によっては破産法上の偏波弁済の例外としての取扱いを認めても良いのではないだろうか。